ヴァルナ国際バレエコンクールの紹介

インタビュー!ヴァルナ国際バレエコンクールVIPゲスト|左右木健一先生

2012年からヴァルナ国際コンクールの日本代表審査員に選出された左右木先生に、コンクールに関するさまざまなことについてお話いただきました。

ご自身もオーストリアのカンパニーで活躍をされていた25歳で同コンクールに挑戦され、ファイナリストとなられるだけでなく組織委員会賞を受賞されています。
「元・出場者」であり「現・審査員」の左右木先生に、審査の裏側からプロのダンサーとしての心構えまでをお話頂きました。
経験に基づかれたお話は、特にバレエをされる若い方に向けられています。
最後に、同時開催されているサマーアカデミーについてもご紹介いただきました。興味をお持ちの方はぜひ2014年に参加してみてください。

  • 日々の生活
  • スポーツ的要素は、練習で努力をすれば何とか手にできます。でも音楽的感覚というのは日々の生活で何とかしないといけません。
    そのためには例えばピアノも弾けないよりは弾けた方がいいし、何事もわからないよりはわかった方がいいし。演技もできないよりはできた方が、イマジネーションを磨いた方がいいから本も読むし、映画も見た方が、違うジャンルの舞台芸術である演劇も見た方がいい。現代的感覚も大切ですから街中を見てファッションにも気を遣う方がいい。また、外出したらダンサーなので注目されているということを考えて生活をしないといけません。毎日、きれいにしていろとは言いません、オンとオフの使い分けです。
    今回ファイナリストが参加するカクテルパーティーがあったんですが、そういう場所にジャージ姿で来るのではなく、15歳でもきれいなドレスを着て高いヒールをはいてということができるようでないといけないと思います。そのためには家庭の中での経験が大切です。
  • ONとOFF
  • 外国の方はオンとオフの使い分けがすごくうまいんですよ。いつもいつも着飾れというわけではないんです。逆にいつもジャージ着たままでいいというわけでなく、人前ではきちんとした格好をするし、リラックスする時はするし。今回の審査員の人もそれがすごく印象的でした。審査の時は、ばしっと着飾るけれど、昼間のOFFの時はオーラをわざと消したりしていて地味です(笑)。そのONとオOFFの差がとてもかっこよかった。そういう使い分けが国際的センスにもつながると思います。
  • 語学力
  • コンクールに参加するにあたって、英語くらいは喋れないと困ります。何かアクシデントがあった場合に自分でそれを伝えないと棄権になってしまうこともある。
    レギュレーションも英語で書かれています。英語がよくわからないからコンクール参加しませんという消極的なメンタリティーでは、お客様に何も伝えられないでしょう。
    バレエは西洋で生まれたもので、そこでの共通語は英語ですから、英語を「大変」なんて考えていたら海外のバレエ団で働くことなんてできません。ましてや今は海外の先生が日本に来ている時代です。海外に出る気持ちがない場合でも、バレエをやるのならば英語は必須です。
    ドイツのカンパニーに入ってもリハーサルは英語のこともあります。理想的なのは二ヶ国語でできることですね。英語とドイツ語、英語とフランス語、英語とロシア語、何語でもいいですが、英語は必要になります。
    ただし流暢に話す必要はありません。私の場合、英語は中学の3年間で習う語学力で十分でした。塾にも家庭教師にもお世話になったことはありません。
  • バレエアカデミー
  • コンクール開催期間中、バレエアカデミーと称するワークショップが行われています。
    世界各国の有名な教師陣によって、クラシック、ジャズ、モダン、キャラクターのクラスが毎日開催され、コンクール出場者に限らず希望者は一回90分のクラスを受講できます。期間は2週間と長いですが、受けたい時だけ参加できるチケット制のオープンクラスみたいなものですね。
    クラシックは子供用のクラス、パリ・オペラ座のジルベール・メイヤー先生のクラス、そしてキューバの先生によるクラスと3クラスありました。
    レベルが心配の方もいるかもしれませんが、バレエ始めたばかりの子供も、コンクールの出場者も、趣味でバレエを始めた方も参加しています。途中で無理と思ったらそこで抜けてもかまいません。
    アカデミーに登録したら期間中自由に参加できますが、一回ずつ参加費を払ってもいいんです。
    また、レッスンの後はコンクールを見学できるんです。そこで刺激を受けてから、翌日のレッスンに行くという繰返しをできるんですね。
    いろんなコンクールでワークショップも開催されていますが、でもほとんどが参加者のためだけです。コンクール参加者以外でも、まして大人の方たちも参加できるというのは中々ないので、ぜひ沢山の方に参加していただきたいと思います。
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